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2007年9月 8日 (土)

写真家の星野道夫さん

 中3の教科書教材に「アラスカとの出会い」という題名のエッセイがある。読んだ瞬間にこれしかないっと思った。文章そのものが、今自分が考えている授業実践の教材として適していたというのが、目を付けた最大の理由だが、なにか筆者の感性に奇妙な親近感のようなものも感じたのだ。

 調べていくうちにいろいろなことがわかってきた。学生時代の親友の死、それに伴う空虚な日常生活、アラスカとの出会い、そして餌付けされ「自然」を失った熊による事故死。そしてなにより写真集の中で、こちらをやさしいまなざしで見つめる動物たち。

 国語の教材にはいろいろなタイプがある。古典教材にはもちろん、長い月日を越え、磨き抜かれた魅力がある。しかし、歳をとるにつれてなんだか現代のありのままの我々の姿を描いた教材に魅力を感じるようになってきた。(漱石の「こころ」はいつまで経っても「現代人」の物語として色あせないが…)

 私が親近感を感じるものの多くは「喪失と再生」の物語であるようだ。星野さんの「喪失と再生」の物語を読み、さらにその背景に星野さんを「喪失」した我々の「再生」の物語が合わせ鏡のように連なっていく。それに親近感を感じるのは、たぶんそれが現代を生きる我々自身の物語だからなのだろう。

 もちろん彼の文章の魅力はそれだけではなさそうだ。これからさらに読み込んでいくつもりだ。

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コメント

こんにちは。初カキコです。
自分も「アラスカとの出会い」は好きです。
あんまり国語の教科書で好きな話にはあわないのですが、
これは本当にいいと思います。
とはいっても、あの教科書に載ってる部分しか読んでいないのでアレコレ言えませんが。

投稿: 百円玉 | 2007年9月 8日 (土) 21時10分

近々、星野さんをモデルにして生徒達が書いた小説をHP熊男の住処にアップする予定なので、そちらもご覧になってください^^

投稿: 熊男 | 2007年10月19日 (金) 21時59分

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