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2007年11月28日 (水)

「煙が目にしみる」

 以前このブログでサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』の話を書いたが、無性に読み直したくなって、村上春樹版『キャッチャー・イン・ザ・ライ』のペーパーバック版を買ってきてしまった。ハードカバー版が家のどこかにあるにも関わらずである。

 久しぶりに読んでみて、たぶん読むたびにそう感じていたのだろうが、ラストシーンの「煙が目にしみる」に驚かされた。なんとたくさんの映画に、似たイメージが登場することかと。

 それは「煙が目にしみる」をBGMに、主人公とヒロインとがダンスを踊るというシーンだ。たぶん最初の映画はジョージ・ルーカスの『アメリカン・グラフィティ』だろう。それをお友達のスピルバーグが映画のテーマそのものにして『オールウェイズ』という作品を一本撮ってしまった。その他似たイメージのシーンを持つ映画は数知れない(と思うのだが…)。『ボディガード』とかにも、いかにもというシーンがある。何だか和歌の本歌取りみたいでさえある。

 『ライ麦畑』のラストシーンにはダンスはない。しかし、雨にずぶ濡れになりながら、回るメリーゴーランドを見つめ続ける主人公の心は、静かにダンスを踊っているのだと思う。たくさんの映画から逆にそう思わされているのかも知れないが。

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