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2009年1月19日 (月)

小論指導と作詩指導

 小論指導をしていてふと気付いたが、小論指導と作詩指導はよく似ている。
 小論は、もちろんうまい文章が書けるに越したことはないのだが、「うまい文章」の模範例がどこかにあるというわけではなくて、むしろ誰も思いつかないような内容の文章を、抑えの効いた密度の濃い文体で書いたときいい文章ができあがる。少なくとも私はそんなふうに指導してきた。

 しかしこの、「誰も思いつかないような内容の文章」が当然ながらなかなか簡単には書けない。それで、ブレインストーミング的に「とにかく与えられたテーマについて、思いつくことをどんどん列挙してみよう。」と指示する。つまり精神分析的な「自由連想」をさせるわけだ。そして、ランダムに列挙した言葉の中から、なにか化学反応を起こしそうな組み合わせを探させ、それを足場に文章の計画を立てさせる。すると、ありきたりの結末に終わらないしっかりとしたオリジナリティを持ち、なおかつそれなりに論理性と結論の必然性とを併せもった文章が出来上がるのだ。無意識領域から抽出した言葉の数々が、一見それぞれ全く無関係の内容に見えて、よく考えると論理的にもつながりを持っている…というのはまあ当然のことであろう。

 いったん、常識も捨てて、小論を書こうなどといった本来の目的も捨てて、心を自由にするのがコツなのだが、それはよく考えてみれば詩を書くのとまったく同じなのである。
 まあ、「黒板上に詩的空間を作り出す」なんて研究発表をしている人間のやる小論指導だから、詩の指導に似てくるのは、当然の成り行きではあるが。

 

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