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2009年2月 3日 (火)

ファンネルとメタ認知

 またバカなネタを思いついてしまった。

 題名になっている「ファンネル」というのは『機動戦士ガンダム』という、たぶん日本で最も有名な漫画に出てくる武器の一つである。いちいち断る必要はないだろうが、どうやらこのブログは年齢層的にも上から下までいろんな人が見ているようなので、一応説明はしておく。

 私が中学の時に放映された「ガンダム」は、新シリーズが30年も続いているらしいが、最近のやつのことは本当にさっぱりわからない。「ファンネル」という武器が登場するのは、ごく初期のシリーズだ。ガンダムは設定自体がなかなかユニークで、宇宙を開拓するような未来社会でありながら、「ミノフスキー粒子」とかいうものの発明でレーダーが使えなくなったため、肉眼だけが頼りになった時代の話である。だから、まさに未来的な機械を操りながら、まるで中世のような戦闘が行われたりする。

 で、「ファンネル」というのはどんな武器なのかというと、操縦者が遠隔操作して複数のレーザー兵器を同時に操って、対象を立体的に攻撃する。それをどこかの国の総理大臣よりたぶん有名な例の主人公のアムロが出てきて、自分の周囲から放たれるレーザー弾をすべてたたき落としてしまう。そのシーンがやたらと気持ちいいのだ。

 こっから冒頭で書いた「バカなネタ」なのだが、「ファンネル」を見ていてなぜだか爽快感を感じるのは、あれはつまりメタ認知能力を象徴的に表現しているからではないかと。
 我々の現実も、あまりに多様な価値、激しい情報の変化・流通によって、隣に座っている人が何を考えているかさえも明確につかみ取ることが出来ないぐらいに複雑だ。物事を単純化する力を持つ「価値」などとおの昔に失われ、まさに自分の「肉眼」だけが頼りである。だから、現実認識の際に、本来は多数の人間が一つずつ持つはずの複数の視点を、一人の人間が同時に持つことが求められる。そうしなければ、現実を立体感のあるものとして把握することが出来ない。つまり自らの認識を、他者の視点から眺める「メタ認知能力」が求められるわけだ。

 子供心に、ガンダムのファンネルのシーンにどきどきしたのは、ひょっとしたら、多数の視点を操ることによってより深化した現実認識をするということへの、無意識的なあこがれがあったのかも知れない。(いや本当の話、あれは最初からそういうつもりで話を作っているのではないかと本気で思うのだが、ガンダムの制作者はどっかでそんな話を書いていないのだろうか…)
 

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