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2009年7月31日 (金)

ハウリング

 ハウリングというのは、狼の遠吠えのことではない。マイクとスピーカを近づけてしまうと、マイクがスピーカの音を拾ってさらにその音を急激に増幅するというあれである。運動会とかで放送する先生が叫んだりした時に、「キィーン」と急激に高まるあの音である。

 ステレオグラムを立体に見せる脳内の仕組みは、ハウリングに似ているのではないかと。さらにはステレオグラムと同じ仕組みで創り出される「時間意識」も。

 自費で行く出張(?)中に、思考力の余った部分を使って、一日ぼんやり考えていたことを書いてみる。もちろん戯言である。
 脳のシナプスは、一つの刺激に対して複数の経路で反応するのではないかと前回の日記で書いた。容量も小さい単純な構造の脳であれば、そのような余裕などなく、一つの刺激に対してほんのわずかなニューロンが発火するだけだろう。しかし、脳の容量が増えれば、自然に特定の刺激に対して反応するシナプスの系統は複数になる。これには必然性がある。例えば、目の前に切り株があったとして、それはそれは見方によっては危険な動物に見えるかも知れない。だから、ほんの一瞬の間に頭の中で何度も「切り株」か「危険な動物」かで判断~ニューロンの発火~を往復させる。同じニューロンが一瞬の間に何度も発火するには弾込めの時間が足りないはずだから、当然同じ刺激に対して反応するニューロンが複数あった方が、瞬時に何度も発火するのには有利になる。そして、そのような判断の曖昧さを残した方が、最初の印象だけでどちらかに決めてしまうより、的確な現実認識が可能になる。そのような判断ができる個体の方が生き残りやすいはずだ。だから必然的に一つの刺激に反応するシナプスの系統は複数になっていく。

 複数のニューロンの発火は、仕掛け花火のように順々に広がっていく。(確か『バカの壁』にそんなことが書いてあった。)広がっていくということは、一つのニューロンの発火が、別のニューロンの発火を誘発しているということだ。そのような仕組みであれば当然、戻りがあるはずだ。つまり、あるニューロンが発火して、他のニューロンの発火を誘発する。そして、一定の時間が経過して最初のニューロンの再発火のための弾込めが終わった時、外からの刺激だけでなく、連鎖反応中のニューロンの発火からの刺激も加わって、最初のニューロンが再発火する。まるでピンボールの弾がピンの間を激しく往復するように~スピーカーの音がハウリングするように~、ニューロンが脳みその中で発火し続ける。

 そして、複数のニューロンのタイミングのずれた発火でありながら、外から来るのは「机」なら「机」という単一の刺激であるため、実際には複数のずれのある反応であるにもかかわらず、そのずれを一つに融合することで最終的な認識が確定する。
 ステレオグラムを見て、「ずれ」た絵を融合してその中に立体像を見出すまで、どんなに視線をずらすことに習熟しても、ほんの一瞬タイムラグがあるはずだ。あれは、頭の中で「ハウリング」が起きるまでに必要な時間なのではないか。

 そして同じことが「時間意識」にも言える。「現在」という一瞬の、ニューロンの発火深度の「ずれ」が融合して、時間が流れているという認識が生まれる。「ずれ」は、発火深度の浅いニューロンと深いニューロンとが立場を入れ替えながら延々続く。一瞬のものでしかない「現在」に、「流れている」という主観的イメージを与え続ける。目が覚めてから、眠りにつくまでの間、脳みその中でニューロンによる「ハウリング」が続くのだ。


追記

 「ずれ」を矯正しようとする脳の働きが、ミラーニューロンの元になっているような…。ずれを一つにするというとは、つまり異なる反応につながりを創り出すということだから、その機能が肥大化して他者とのつながりを見出す働きに進化していったのではないかと。いやまあホラ吹きもそこまではったりをかませるのなら感心感心ということで笑ってやって下さいね^^;

追追記

 まあ戯言ではありますが、人の脳の発達が、「時間意識」を生み、それがまた他者とのコミュニケーション能力を生んでいるなんて、真偽はまあまあともかくとして、夢があっていいとは思いませんか?夢だけでは食ってはいけないか(なんじゃそりゃ)。

~さらに戯言~

 脳みそは、人が目を覚ましている時は、「時間意識」によって常にごく小さな「ハウリング」状態にある。それはおき火状態とも言える。なにか外から刺激が与えられたとする。この時、「ハウリング」の連鎖の中で、その刺激に対して関連性が深いシナプスの系統の、なおかつ弾込めがちょうど終わった状態になっているニューロンからまず激しく発火するのではないか。そう考えれば、一定の刺激に対して、脳みそ内の離れた部位にあるニューロンが同時に反応することの説明がつく。「頭の中の小さなこびと~ホムンクルス~」(『脳内現象』)を想定する必要が無くなる。

※ これを書いた時、わたしゃ「シナプス」と「ニューロン」を取り違えていました^^;今更書き直すのも照れくさいので、そのままにしておきます。

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