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2010年1月 6日 (水)

『花神』と『龍馬伝』と『バガボンド』

 ちょっと前の日記に、「『花神』がどこの本屋にもない」という話を書いた。何かの本が売れた隙間だけあるのだ。しばらく経って行ってみると、その隙間にはちゃんと『花神』が補充されていた。私がまたそこに隙間を作ってやった。

 仕事やら何やらのプレッシャーで、気持ちが追い詰められており、そういう時の特徴で、日頃はしないことをやりたくて仕方がなくなっていた。それでかなり分厚い『花神』の上中下の3冊をすぐに読み始めた。今朝3時頃読み終えた。

 大村益次郎の影響で、飲み屋に行くと必ず「冷や奴」を注文するという話をずいぶん前に書いたが、どうも悪影響はそれだけではなさそうだ。中学時代に触れた様々な事物の、人の心に与える影響は本当に計り知れない。(実は前任校で中学生達を教えていた時に、「先生何か面白い本を紹介して。」と聞かれたが、適当な題名を示すことが出来なかった…。本との出会いがその子に与える影響の大きさを思って、躊躇したのかもしれない。)

 『花神』を思い出したのは、もちろん『龍馬伝』が始まったからだ。第一回を見たが、制作に関わっている方々の気合いは半端ではないようだ。映画並の演出だと思っていたら、どうも複数のカメラを同時に回すようなことまでやっているらしい。また特殊なハイビジョンを使って撮影しているといっていたが、あれはひょっとしたらハリウッドとかでも使用されている、特撮用に特化したものではないか。だとすると、この後これまで見たこともないような映像を見せてもらえるのではないかと期待している。

 岩崎弥太郎の視点でというのも興味深い。さらには、『バガボンド』を連想させるようなシーンもあった。演出家が『バガボンド』を意識しているのなら、当然「心」が重要なテーマになってくるはずだ。だとすると、弥太郎に象徴される「グローバル化」と、一人の人間の「心」とのせめぎ合いを描こうというのが、『龍馬伝』の真のねらいということかもしれない。漱石並みだな、これは。(勝手に納得してますが^^;)。まああの時代の話は、最初からそんな感じかな…。


追記

 余談だが、BS民放で同じ日にやっていた龍馬の特集も興味深かった。(ここから後はちょっとぼかしたような書き方をするが、その番組を見ていた人だけにわかるようにという配慮による。知らなければ知らない方がいいかもしれない話なので…)。あの事件については、もちろん子供の頃から知っていたし、状況から考えて当然その可能性があるはずなのに、なぜそれを誰も言わないのかとさえ考えていた。しかし、背景なども説明してもらっているうちに、なぜ龍馬が誰とかの夢にまで出てきて、死後他の人物以上に有名になっていくのか納得がいった気がする。そして「その可能性」について、なぜだれも言おうとしなかったのかということも。龍馬は日本人全員の代理になったようなものなのだな…。そしてもう一人も。おそらくは親しかったからこそ…。その事実を知る者、それに関わった者が、良心の呵責に耐えかねて、また二人があまりに不憫で、死に場所を求めても死にきれず、「夢」の話をでっち上げまでして、彼らを英雄にせずにはいられなかったということかもしれない。『花神』でも、その番組の内容と同じ「可能性」が暗示されているように思う。確かでないことは書かれなかっただけで。
(※ ただし、私はその番組の内容を全面的に肯定しているわけではない。「その人物」は小柄で気さくで、いつも笑顔で人と人との間を取り持つような男だったらしい。だとすれば孤立無援だった龍馬に対して彼がどのような立場をとろうとしていたか想像がつく。近代医学成立以前の時期だったことも考えて、アクシデントがきっかけだった可能性が高いのではないか。そしてそれがアクシデントだったとしたら、残された者達の気持ちも想像がつく。…最初に書いたように「知らなければ知らない方がいいかもしれない話」なので、もうこれ以上は書くのをやめる。)
 
追追記

 そういえば『バガボンド』が今年で終わるそうですね。ようやくラストへの道が見えたということでしょうか。最近のエピソードはなんだかどきどきしながら読んでました。「ああでもない、こうでもない」というつぶやきが聞こえてくるようでした。終わってしまうのは残念ですが、不思議にほっとしたような気持ちもあります。ここからどんな結末に辿り着こうとも、読者は満足だと思いますよ。もちろん残りの話の一つひとつを楽しんで読ませてもらうつもりです。(なんだか手紙みたいだな^^;)


 

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