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2011年3月10日 (木)

補色残像

 補色残像という残像がある。以下のユーチューブ映像を見れば、どんなものかすぐわかるはずだ。まるで魔法のようだ。

「白黒写真がカラーに見える」

 以前にも話題にしたように、「蛇の回転」の図柄の青と黄色は、まさにこの補色関係にある。青を長時間見つめて、ぱっと白い画面を見ると、黄色に見える。だから、我々の脳が青を「今」、黄色を「過去」と判断してステレオグラム的に合成し、「動き」を認識しているのではないかと、以前書いた。

 前にNHKの番組「サイエンスゼロ」で、補色残像がなぜ起きるのかについて以下のような説明をしていた。補色関係に当たる光を混ぜると白に見える。だから、青を見つめ続けると、青に反応する脳内物質が過剰に消費されるために、その直後に白を見たときに、本来青と黄色に反応すべきところを黄色のみに反応してしまい、結果として白が黄色に見えると。

 ネットで検索した限りでは、補色残像がなぜ起きるかについては、諸説あるらしい。しかし、上記の「カラー写真」も一瞬目をそらすとカラーが消えて本来の白黒になり、すぐに視点を戻すとまたカラーになる。だから、刺激に反応する物質が浪費されてああなるという説は、感覚的にも納得できる。そうなると補色残像は、視神経に近いレベルでの残像と考えて良いのだろうか。

 残像には、いくつか種類があるらしい。前にも書いたような、手を目の前でぶらぶらさせたときに見えるようなタイプの残像は、補色残像とは別のものだろう。だが上記の「蛇の回転」を見る限りは、補色残像が「動き」の認識に一役買っているのは確実だと思う。

 だから次のように考える。

 残像は、全て、これまで「時間意識戯言」で語ってきたように、脳内でステレオグラム的に合成されて、「動き」を認識するための材料となる。しかし、残像そのものは、脳神経の浅いレベルでも深いレベルでも起き、それらを全て統合して、「動き」の認識が生まれる。

 そう考えないと、補色残像だけでは、めまぐるしく移り変わる視覚変化に対応できないと考えるからである。
 しかも、補色残像の仕組みでは「ハウリング(ニューロン群の発火がループすることを勝手にそう呼んでいる)」が起きない。ニューロン群の反応がループして、恒常的な時間意識を生んでいるという本カテゴリのパラダイムにつながらないので、ちょいと都合が悪いのである。

 補色残像以外の残像で、擬似的「動き」を認識させる錯視がないか探してみるつもりだ。
(ただし、そのタイプの残像は、それが残像による効果であると明確に認識することは難しいのだろう。一秒に20~30回明滅して「動き」を認識させる映像情報を見る際に我々の脳で起きていることは、まさにそういう残像による時間認識(動作認識)の代表例なんだろうけど、日常的すぎて証明にならない…)
 

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