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2011年8月10日 (水)

動き出した時計

 もう二十年以上使っている時計が一つある。直径30センチぐらいの時計で、文字盤は大きいのだが、中身はほとんどがらんどうで、よくずれる。「よく」というよりコンスタントにずれる。

 ただし、必ず進む方向でずれていくので、大抵そのままずれっぱなしにしておく。するとどのくらいずれているのかわからないので、特に朝の寝ぼけている時などには、ずれているの気づかずに「こんな時間なのか!」と一瞬だけ驚いて、アドレナリンの分泌を助ける。
 最大30分ぐらいずれていたことがあった。

 でかい割に中身が空っぽなせいか、単三電池一本でかなりの年月動く。一ヶ月前ぐらいにまた電池が切れたらしく止まってしまったのだが、面倒なのでそのままにしておいた。
 そうすると、どうもその時計がある空間だけ、妙な感じである。今のアパートに移り住んでもう7年目になる。その間に無意識にその時計を見上げる習慣ができあがっていて、繰り返し繰り返し時計を見ては、「止まってたんだっけ」と自分に言い聞かせる始末である。

 しまいにはなんだかその時計がある空間だけ、「見てはいけない場所」といった変な意味づけがなされてしまった。
 何をむきになっているんだと自分に言い聞かせて、電池を入れ替えてやる。

 時計が動き出した瞬間、非常に奇妙なことに、時計だけでなく、時計の周囲の空間全てが一斉に活動を再開した。白黒だった映像が、突然カラーになったかのようだった。

 電池を入れずに放置してあるものが他にもたくさんありそうだ。電池を入れ替えてやらねばなあ。


Hurudokei


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