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2012年2月18日 (土)

質量(その2)

 ちょっと前に書いた記事「質量」の補足である。

 「質量」の定義は「動かしにくさ」である。ちょっと前の記事において私は、物体が慣性運動している状態、つまり本カテゴリの文脈では静止しているとも言える状態において、物体はそれ自体の重力が創り出す空間のゆがみの中心に自ら転げ落ち続けている、と書いた。それが加速や減速の際の物体の「動かしにくさ」を創り出していると。

 この考え方は、「空間のゆがみ」といった相対性理論的な表現を使わなくても、引力の存在だけで説明可能である。

 我々が立っている地球について考えてみよう。リンゴの例えなどを持ち出さなくても、地球が重力を持っていることなど誰でも当たり前に知っているはずだ。しかし、重力は一体地球のどこから来るのか?
 自分が今立っている足下のこの地球から石をひとかけら拾ってみる。小さな石ころも、我々に拾われるまでは地球の一部であったに違いない。つまりこの石ころも重力の発生要因の一つだったはずだ。だが、石ころを手から離すと、まるで地球とは別の存在であるかのように「地球」に向かって落ちていく。つまり石ころは地球の一部であるにもかかわらず、それ自体が地球全体からの重力の影響を受けて、地球の中心に向かって引っ張られ続けていることになる。

 この考え方を発展させて、例えばエベレストの山頂付近を数百メートル分切り取っても、全く同じことが言えるだろうし、さらに極端に言えば地球をリンゴみたいに八分の一ぐらい切り取っても、同じことが言えるはずだ。つまり物体は互いの創り出す重力場の影響を受け、互いが互いに向かって引っ張られ続けている。それが何重にも重なり合って、「地球」という単一の名称を持つ、物体の集合体の、強力な重力を創り出している。

 ここで肝心なのは、物体相互を引きつけているのは重力「場」であって物体そのものではないということだ。くっついてしまったらなかなか離れないというのではなく、物体の周囲の空間がそれぞれを引き寄せているということになる。
 例えば、地球をリンゴみたいに真っ二つにして片方を引きはがそうとすると、残された片方が創り出す重力「場」が、はがれようとする半分をその場に引き留めようとする力が働く。それは疑いようもなく「動かしにくさ」そのものであるはずだ。
 極端に言えば、地球を構成する粒子の全てが、他の全ての粒子が創り出す引力の影響を受けて、押しくらまんじゅうのようにひしめき合い、結果としてその場にとどまり続けようとする。静止系、もしくは慣性系としての状態を保とうとする。

 粒子という言葉を使ったが、物質を構成する最小単位である素粒子についてはどうか?

 最近雑誌等の記事に、素粒子自体は理屈の上では質量を持たないはずだとあった。
 もし、素粒子一つが持っている引力がその素粒子自身に対しては作用しなかったとしても、つまり素粒子の創り出す重力場が、それ自身に対しては「動かしにくさ」、すなわち質量を生む原因になっていなかったとしても、素粒子が二つそろった瞬間に、「動かしにくさ」が発生する。それぞれがその隣にいる素粒子の作り出す重力「場」の影響をうけ、引きつけあう。素粒子が重なり合って原子となり分子となり物体となっていくにしたがって、重力「場」は力を増し、物体自体の「動かしにくさ」を強化していく。

 このように、相対性理論的に「重力の創り出す空間のゆがみが物体そのものをその中心に転がり落とし続ける」などといった表現を使わなくても、「引力」という概念だけで「質量」を説明できる。


追記

 「石ころひとかけらの持つ引力程度で『質量』が生まれるなんて、それは力不足だろう。」と思われるかも知れませんが、「質量」と「重さ」は別物ですから「質量」自体はいたって「軽い」ものですよ。力自慢で航空機を引っ張るのを見たことがありませんか?摩擦係数を0にしたら、我々でも山一つぐらい引っ張れるかも知れません。(はったりですが^^;)

追追記

 あれこれネットを検索してみて、グラビトン(重力子)という言葉を見つけた。引力を創り出すのはこれだそうだ。グラビトンの定義が真実で、他の素粒子は引力を持っていないとしても、今回書いた話は成立する。すなわち、グラビトンが二つそろった時点で「質量」すなわち「動きにくさ」が発生すると。

追追追記

 物体を動かそうとした時、つまり物体が加速した時に、重力場がその物体から引きはがされそうになる、という表現がわかりやすいのかな。その時に生まれる抵抗が「動かしにくさ」、つまり質量を生むと。ある程度以上の物体を動かした時に重力波が生まれるらしいし、そういったことも「引きはがされそうになる重力場」のイメージに合うような気もするのですが…。
 確か重力は光と同じように伝播するための速度を持っているとどこかに書いてあった。そのことも「引きはがされそうになる重力場」のイメージに合う。

追追追追記

基本相互作用といって、物体には4つの基本的な「引力」があるらしいですね。というよりそれを研究するのが素粒子論の核らしい。
そんなことも知らずにこの記事を書いていた訳で…(^_^;)

 

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