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2013年8月 3日 (土)

知覚のタイムマシン

 科学雑誌ニュートン別冊『時間とは何か(改訂版)』のP35に「知覚のタイムマシン」という記事がある。

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 左は「1」、「2」を数字の順番通りに光らせたケースで、当然のようにそれを観察していた被験者は、それを順番通りに光ったと報告する。
 問題は右のケースで、数字の「1」の前に「2」の位置を一度光らせた後で「1」→「2」の順番で光らせると、被験者は「2」の方が先に光ったと報告するらしい。

 拙著『時間認識という錯覚』の核ともいうべき主張は、過去の残像と今この瞬間の実像がステレオグラム合成されて、我々の認識する「現在」が創り出されている、というものだ。その理屈を使えば、この「知覚のタイムマシン」も簡単に説明できる。
 つまり右の実験において、被験者の目に一番最後に知覚されたはずの「2」は、一番最初に光った「光」の残像とステレオグラム合成される。我々が認識する「現在」は、合成される「過去の残像」より「今この瞬間の実像」のイメージの方が(ニューロン群の活動電位総量との関係で)強くなるので、被験者の脳内では最初の「光」の残像が最後の「2」に吸収合成される。
 
 それで被験者は一番最初に光ったのは「2」だと報告すると考える。

 ニュートンには次のようにある。

「最初の右側の光により、被験者は右側に注意を引きつけられる。すると、右側だけ、周囲よりも早く認識できるようになる。そのため、後から表示されたはずの「2」が「1」よりも速く認識され、被験者の意識には「2→1」と表示されたように見えたのだ。」(P35)

どちらにしても「仮説」だとは思うのだが、私の理屈の方がすっきりしていると考えたくなるのは「手前味噌」だろうか?

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