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2014年11月24日 (月)

SF小説(その2)「慣性質量ゼロ」-空飛ぶ円盤の作り方-

 一つ前のブログ記事、SF小説「反重力(斥力)物質の作り方」の続きです。

 前回の記事で私は、もし量子が本当に球状の波であり、その一群が最も収縮した状態で「対称性の自発的破れ」を起こしたのが通常物質だとすると、その逆に最も伸張した状態でも「対称性の自発的破れ」を起こすはずであり、それは周囲の空間を「密」な状態に維持することで、「疎」の空間を維持することで引力を生み出す通常物質に対して、「斥力(反重力)物質」とでも呼ぶべき存在になるだろうと戯言を述べた。
(※ 一文が長すぎるので小論文的には0点)

 さて、周囲の空間の「リソース」を「密」にすることで斥力を獲得した「反重力物質」によって、何が可能になるか考えてみよう。(※ SFです)

 まず、その物質は地球上にとどまることは出来ない。

 地球の重力場は、「量子は球状の波」の理屈で言えば、周囲の空間の「疎」の状態を一定に保とうとする力である。「球状の波」が伸縮する方向に別の通常物質があれば、その物質の周囲にも「疎」の空間が広がっているため、その方向の空間をより深く引き込まなければ一定の状態を保つことは出来ない。
 しかし、「密」の空間をまとった物体が近くにあるとどうなるか。地球の重力場は、自らの周囲の空間の「疎」の状態を一定に保とうとするため、「密」の物体がある方向の空間を出来るだけ押しのけようとするだろう。だから、斥力を持った反重力物質には地球の重力圏から引き離されるような力が働く。

 このような反重力(斥力)物質は、通常物質と同様の慣性質量を持っているはずだ。前に書いたブログ記事で私は、物体を加速する際の抵抗は、その物体の周囲の「疎」の空間を引きはがそうとする時生まれる、と述べた。それと同じことが周囲に「密」の空間をまとう反重力物質にも言える。力を加えられて加速し、周囲の「密」の空間の中心点から一瞬はずれた物質は、自分の周囲に新たな「密」の空間を作り出すまでの一瞬、元の位置に引き戻されようとするはずだからだ。

 だから反重力(斥力)物質は、それが巨大であればあるほど、大きな慣性質量と反重力質量を持ち、1Gの加速力でぐいぐい空に上っていく。

 そんな物質はかえってコントロールが難しくて、使い物にならないのではないかといえばそうでもない。

 例えば、地球と同じ程度の質量の天体と往復するのであれば、ほとんど移動のための燃料を必要とせずに旅行が可能になる。反重力物質で作られた宇宙ロケットは、地球の重力によって地表を離れると、1Gでどんどん加速していく。(地球から離れるに従って次第に加速力は弱まっていくが…)。そして同じ1Gの別の天体に近づくと逆にかってにどんどん減速していき、その天体の地表に到達した時に速度ゼロになる。その瞬間に碇でも打ち込んで係留すればいい。(まあこれは天体それぞれの空気抵抗やら、天体相互の相対速度等を無視した場合の話だが…)

 さらにおそらく最も利用価値が高くなるのは、通常物質と反重力物質を同質量組み合わせた構造物を作った場合である。これは比較的容易に製造可能なはずだ。なぜなら、反重力物質自体の持っている「斥力」は、通常物質に対して、磁石の同極の反発ほどの力を持たないはずだからだ。それは通常物質同士がそれほど強く引き合うわけではないことからもわかる。(「万有引力」だから、ごくごく僅かだが引き合っているらしいが…)。だから合板のように貼り付けてもべりべりはがれたりしないし、H鋼のような素材を作るのも簡単なはずだ。

 この構造物は、重力と反重力とが拮抗して浮きも沈みもせずに宙を漂う。

 しかし、それだけではない。

 この構造物は、「疎」の空間と「密」の空間が逆位相的に打ち消しあって、擬似的に周囲の空間を通常空間と同等の状態にしてしまう。つまりこの物質が加速する時に、周囲の空間が引きはがされる時の抵抗が起きない。つまり、この構造物は見かけ上慣性質量を持たない。

 例えばそのような構造物で作られた航空機は、推力に対して抵抗するのは空気だけである。空気抵抗は航空機の体積に応じて発生する。だから進行方向の空気を押しのける推力は最低限必要である。しかし、機体本体の慣性質量がゼロであるため、ほんの僅かな推力であっという間に加速する。逆に、推力をカットしたとたんに空気抵抗の影響で一瞬のうちに速度ゼロまで減速される。

 と、そこまで書いた時点で、これはつまり「空飛ぶ円盤」の動きではないかと。(※ 繰り返しますがSFです)

 そのような構造物が、宇宙空間でどのような動きをするのか想像もつかない。単純に理屈で考えれば、例えば慣性質量ゼロの物体は、推力として使う燃料の燃焼爆発の加速と完全に同調してしまうということになる。だとしたら人の体はそのGには耐えられない。しかし、そこは適切な通常質量と適切な推力でバランスをとればいい。

 もし、例えばどこかの国の粒子加速器かなにかで、本当に反重力(斥力)物質が見つかっており、それがここに書いた通りの性質を持っていたとしたら、それは逆に「量子は球状の波」という本ブログの戯言理屈の証明になるはずだ。

 何度も繰り返しますが、この記事は悪ふざけのSFです。 


追記

 アインシュタインの一般相対性理論の「重力は空間のゆがみ」という理屈では、もし本当に斥力を持った物質が発見されていたとしたら、その現象を説明できないはずだ。なぜなら「空間のゆがみ」は空間ごと全ての物質を引き込んでしまうという理屈だからだ。だから一般相対性理論では、地球と同質量の「反重力物質」のみが地球の重力に対して抗しうるということになるはず。(※SFです)
 

追追記

 このブログ記事の理屈で言えば、「反重力物質」自体は地球のような「通常重力物質」に近づいた時、むしろそれを引き込もうとすることになるのかな。自分の周囲の空間を安定させようとする作用に関しては「疎」も「密」も変わりはないだろうから。しかし、地球の質量の方が圧倒的に大きいから、地球の重力にはじき飛ばされる力の方が圧倒的に勝って、見かけ上純粋な「斥力」になると。
 斥力物質同士であれば、純粋に反発し合うはず。まあ室内に設置する実験機器程度では、計測するのも困難だろうけど。
 

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