カテゴリー「文化・芸術」の4件の記事

2009年7月 5日 (日)

ヤナーチェクのシンフォニエッタ

 仕事をするのにBGMにしようと、加入している有料音楽サイトで適当な曲を探していたら、これが聴けるようになっていたので今聴いている。
 ウィキペディアで調べてみたら、ヤナーチェクはこの曲を「勝利を目指して戦う現代の自由人の、精神的な美や歓喜、勇気や決意といったもの」というテーマで書いたのだそうだ。

 「1Q84」は、象徴する意味が比較的読者にわかりやすいように意識的に書かれているような気がする。その代わり、登場する様々な事物間の関連が複雑で、「空所」だらけで、本当に最後の一ページまで展開が読めなかった。それなのに読後には、物語全体の展開に、他の展開が考えられないぐらいの必然性を感じた。

 どこかのブログに、BOOK2でやめておくべきだ、そうでなければ後の展開は必ず陳腐になる、そんな展開を見たくない、と書いてあったが、私はそうは思わない。これほどわかりやすいテーマを、これほどの意外性と必然性をもって記述する力のある作家が、これ以降の展開を陳腐にすることなど考えられない。たとえ落ちが陳腐であっても、作品そのものは陳腐になどなるはずがない。それを言うならBOOK2の段階で落ちは既に陳腐だ。(もちろん一般的な意味で言えばだが…)

 結論はただ一つ。村上春樹さん、何年かかってもいいから、BOOK3とBOOK4を書いて下さい。待ってます~。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月25日 (月)

「アラスカ 星のような物語」

 再放送されることを知らなかったのだが、テレビをつけたら偶然始まったところで、ほぼ全編を録画できた。
 ハイビジョンで撮影されたアラスカの大自然はもちろんすばらしかったが、最大の収穫は星野さんがアラスカにあこがれるきっかけとなった「シシュマレフ村の航空写真」の本物を見ることができたことだ。

 その写真は教材「アラスカとの出会い」の中でも重要な意味を持っていながら、教科書にも、私が副教材として購入した10冊の写真集のどれにも載っていなかった。(まあ星野さんの撮影した写真集に出てこないのは当たり前ではあるが…)

 私は授業中に、何度もその絵を想像で黒板に描いていた。灰色の海、雲間から差してくる光、芥子粒のような村の家々。「こんな感じかなぁ」と言いながら、4クラス分でたぶん数十回はその絵を描いただろう。

 テレビに映し出されたシシュマレフ村は、まさに私の絵そのままだった。海の張り出し方、村の位置、構造物すべての配置が、私が想像したイメージ通りだった。まるで、ずっと前からよく見知っていたかのように…。

 もちろん、「アラスカとの出会い」中の星野さんの記述が私に正確なイメージを与える力を持っていたのだろうが、なんだか「シンクロニシティ」という言葉を信じてみたくなる出来事ではある。

| | コメント (0)

2007年2月14日 (水)

平成18年度の実践報告アップ開始

 平成18年度の授業実践報告(国語)のアップを開始しました。「熊男の住処」内「昔書いた物」にまず生徒の詩作品群(160編以上)をアップしました。
 詩創作から始まって、教科書教材『ゼブラ』のリライトに至る帯単元的取り組みの実践報告が最終目的です。準備が出来次第、随時アップしていく予定です。

| | コメント (0)

2007年1月27日 (土)

書道家の池上 昇さん

 先日勤務校に書道家の池上昇さんがやってきて書道の実演をしてくれた。
 池上さんは幼少時に小児麻痺にかかり、体の機能の多くの部分を制限されてしまっている。だから右足の親指と人差し指の間に筆を挟んで書くのだ。ある程度自力で移動など出来るのだが、書いているときは視線がぶれないようにお母さんに頭を支えてもらっている。その状態で何十分もかけて、ひとつながりの言葉を紙の上に表していく。昇さんは私と同い年の41である。
 
 このブログにもしここまでつきあってくださるような奇特な方がいらっしゃったら、気が付いてくださっているだろうが、私は偽善が大嫌いである。表向きの「善」に覆い隠された虚栄心が大嫌いだ。(もちろん自分の心の中にそれを発見して冷たい思いをすることも少なくないのだが…)だから、この言葉に確信が持てるようになるまで何度も心の中をのぞき込んだが、それは間違いなく私の中に生まれていた。それは「共感」である。

 41年という月日が自分に与えてくれたものに対する喜び、自分の将来に対する不安、周囲の人間に頼りながら頼ることそのものを自分の生として受け入れる覚悟、そういった同い年の人間にしかわからないものを感じた。

 前に「時間よ止まれ!」と書いた。しかし時間は止まる必要はないのだと気づいた。なぜなら常に時間は止まり続けているのだから。

| | コメント (0)